安倍王子神社は大阪市阿倍野区にある神社で、熊野詣が流行した平安時代、熊野九十九王子の第四王子社と呼ばれました。「王子」とは和歌山県の熊野大社の末社の意味で、京都から摂津、和泉を経由し熊野三山へ参詣する人が途中の休憩所として利用していました。社伝によると、当社は仁徳天皇により創建されたと言われており、仁徳天皇が夢の中で見た熊野三山の使いである３つ足の烏と同じものを当地で発見したことから、当地に神社を創建。また、826年には弘法大師空海が、淳和天皇の勅命で当社に参り、疫難退散の祈祷をしたと言われています。それ以降、疫病を治癒する寺として知られるようになり、現在でも厄除け、無病息災、病気平癒などにご利益があると崇敬されています。境内には、お願い事を熊野山まで届けてくれるという『八咫烏大神』がお祀りされている本殿の他に四本もの樹齢500年のご神木があります。また、近年、八咫烏のシルエットが特徴的なおみくじがSNSで評判となっています。