全興寺は、大阪市平野区にある高野山真言宗の寺院で、閻魔大王と出会うことができる「地獄堂」や、四国八十八カ所霊場各寺院の御本尊と弘法大師の像が祀られている「ほとけのくに」などユニークな建造物を楽しむことができるお寺で、大阪市内でも有数の古い木造建築として有名です。境内には「小さな駄菓子屋さん博物館」や子供の遊び場として利用される「おも路地」などの施設もあることから、「大阪のおもろい寺」、「寺のディズニーランド」とも称されています。当寺院は、飛鳥時代、聖徳太子が当時野原だったこの地に仏堂を建て、薬師如来を安置したのが起源とされており、中世には応仁の乱以降は戦乱に巻き込まれないようにと豪族らが環濠を築き上げ、厳重に守護されていました。大阪夏の陣の際、戦火により一部を焼失しましたが、1661年に再建され、現在に至ります。また、当寺院の境内には、「仏足石」と言われる、菩提樹や仏陀の模様が足の裏に掘られた石やペットのお骨を納める「わんにゃん堂」などもあります。